国民年金の学生納付特例制度は、在学期間中の国民年金の保険料を猶予する制度である。
対象は大学(大学院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校及びその他の教育施設(夜間・定時制課程や通信課程の方も含まれる。)に在学する20歳以上の方であって、学生本人の前年所得が68万以下である方が対象となる。
この制度の対象となる各種学校については、今まで厚生労働省令で個別に定められた一部の各種学校に限られていたが、平成17年4月からすべての各種学校(1年以上の課程に在籍している方に限る。)が対象となる。
また、国内に所在する海外大学の日本分校であって文部科学大臣が個別に指定した課程に在籍している方も対象となる。
(現時点では、テンプル大学ジャパンの一部の課程のみである。)
学生納付特例制度のメリットとしては、次の点が大きいと思う。
@この制度の承認を受けた期間は、老齢基礎年金の受給要件に含まれることとなる。
また、将来満額の老齢基礎年金を受け取るために、その後10年間のうちに保険料を納付
することがでる。
ただし、2年以上経過後は保険料に一定の加算がかかる。
この加算率も、2005年4月からは4%⇒1.5%に引き下げられている。
A仮に障害や死亡といった不慮の事態が生じたときに、その月の前々月以前の1年間に保険料
の未納があると障害基礎年金・遺族基礎年金が受け取れない場合があるが、この制度の承認
を受けている期間は、未納の扱いとはならないので万一の時にも安心である。
未納であったりすれば、その間は加入期間にならない。
万が一、自身が障害を負ってしまう場合、それは遠い老後ではなく、すぐなのかもしれない。
支払いが厳しい学生の方、ここはぜひ、納付特例制度を活用されてはどうだろう。